Middle of nowhere
約半年の日本生活ののち、またイギリスにやってきました。日本にいる間は一回も!更新しなかった…。けど最近意外な方々から見てるよ、と言っていただくことが何回かあったので、これを機にまたくだらないことを書いてみようと思います。
今回はイギリスには3月頭までの約4カ月滞在します。その間に南アとアメリカの野外調査にも行く予定です。日本帰国中、イギリスで春まで住んでいた部屋を私とちょうど入れ違いで短期滞在していたポスドクに貸していたので、また同じ家・同じハウスメイトです。というわけで引っ越しはとっても楽ちん、ガレージに置いて行った荷物を整理するだけ、半日で生活環境が整いました。
最初の週末は、同じグループのRominaがディナーに招待してくれ、ポルトガル料理をごちそうになりました。ポルトワインをがぶがぶいれて煮込んでいてさすが。話題は学校教育の崩壊などなど…どこの国も同じのようです。
月曜日にはグループミーティング。新しいPhDとマスターの学生も加わり初のグループミーティングだったのだけれど、ボスがいきなりの衝撃発言。大学を移動することが決定!!私はどこかに移ろうとしていたのは知っていたし、移動は早くてイースター後なので関係ないし、来年度はそんなに長期間英国滞在しないつもりだし、また違う大学がみれて楽しいかも、くらいな感覚。新しいラボは、研究環境としては海洋生物をやるにはここよりずっと良いらしい。でも大学のある町はとっても"middle of nowhere"だそうです。Google mapで見てみたが、うーん、ほんとにmiddle of nowhere…。新しくきたばかりの学生達は「No life…it will be INTERESTING!!」「ロンドンだからこの大学選んだのに…」とかなりショックを受けていた様子。そりゃそうだ。ボスの「新しい学部には建物内にいいコーヒーショップもあるよ♪」という売り文句に、「俺はtea drinkerなんだよ!」と愚痴ってたのがいかにもイギリス人らしい。
写真はすっかり黄葉した庭の木。秋晴れ(寒い)。
いまさらながら
The Invention of Lying
おひさしぶりでございます。8月から9月にかけて、フランスで開催された国際行動学会(IEC)に行ったり、スコッチウィスキー好きなら垂涎のアイラ島蒸留所巡りに行ったり(写真:左に行けばボウモア、右に行けばアードベッグ)、スペインで開催された国際頭足類学会(CIAC)に行ったり、何人か友人がイギリスに来たり、と公私ともに忙しく過ごしてました。
で、久しぶりにブログを更新してみようかな、と思い最近見た映画の話でも。研究者なら学会の話でもしろよ、って感じですが。
「The invention of lying」日本で公開されてるのか知らないですが、楽しいコメディ映画でした。嘘というものが全く存在しない世界で、はじめて嘘を発明した男の話。その世界では赤ちゃんを見た人が「まあ、なんてぶさいくな赤ちゃんかしら」と言ったり、老人ホームが「A sad place for hopeless old people」と呼ばれていたり。フィクション映画も無ければ、宗教も存在しない。特に宗教に関しては、相当皮肉たっぷりで、授業で進化を教えないアメリカの一部の州なんかではとうてい許されないんじゃないかしらー、という感じです。
宗教が存在しない世界での結婚式のシーンでは、「遺伝的利益と経済的安定、身体的安全のために一生添い遂げますか?」と結婚の誓いがなされてました。人間社会から嘘を取り除くと、完全に進化生態学的コスト・ベネフィットで計算されるものなのか?とちょっと考えてしまいました。
とりあえず、映画を見るのは自分の語学力チェックに有益ですね。軽いコメディ映画なら、字幕なしでも概ね理解できるようになったかなあ。ちょっと複雑なSF映画を見たときは半分も理解できなくて泣きそうになりましたが。
Summer Holidays
パラダイス マイノリティが マジョリティ
(ゲイカップルであふれるミコノス島スーパーパラダイスビーチにて)
夏の休暇でギリシャに行ってきました。昔歴史の教科書で見て以来ちょっとあこがれだったクレタ島のクノッソス遺跡。エーゲ海リゾート・ミコノス島のビーチでひたすらのんびり。アテネのアクロポリスなど遺跡見学。
そしてご飯がおいしい!鰯や鯵のような青魚をたくさん食べる(そしてオリーブオイルと塩とレモンでシンプルに食べる)地中海は、やっぱりいいな〜。
博物館でゼウス像のポーズで写真とろうとしたら監視員にすごく遠くから「No Posing!」と怒られたり(写真撮影は可なのに、ポーズとっちゃだめってなぜ?)、忍術を習うホテルマンに出会ったり、あいかわらずの珍道中でした。
毎日快晴。海の色がほんっとーに綺麗でした。
The Messengers
Annet Messagerの展覧会The Messengersを観に行ってきました。Southbank Center内のThe Haywardにて。Tate Modernもすぐ近くにあるし、サウスバンクはLondon現代アートのホットスポットです。
中でも圧巻はCasinoという作品。部屋一面にしかれた真っ赤な布と送風機で、血流のようなマグマのような、波が打ちよせてくる作品です。絶対文章じゃ伝わらないけど、たぶん生命への賛歌。
これは回顧展で1970年代の若い頃から2000年代までの作品が並んでました。若い頃は自意識とか内側に向かっていて、だんだん生命とかそういうでっかいところへ行き着くのは一般則かしら。「one cannot talk about happiness without using cliche」という彼女の若い頃の言葉は印象的。かなしいかな、そうかもしれません。
次の企画展はWalking in my mind。10人のモダンアーティストによるインスタレーション展。これも行かなくちゃ!草間彌生、奈良美智、塩田千春と10人のうち日本人が3人も入ってます。
月曜祝日の3連休のなかび、25度くらいはあったのかな、最高にいいお天気でした。噴水では子供たちがびしょ濡れになって遊んでいましたよ。