無事イギリスに戻りました

アフリカはとっても素晴らしいところでした!


イカはいなかったけどね。
南アフリカヤリイカは集団で産卵し、一旦卵塊群ができると同じ場所をしばらく産卵場として利用します。しかし、今シーズンは調査地の湾にイカの産卵場が全く形成されませんでした。共同研究者のWarwickの話では、この20年でこんな年は初めてとのこと。繁殖戦術に伴う繁殖成功を親子判定で調べるため産卵場で潜って産卵ペアとその卵をとることが大きな調査項目のひとつだったのですが、それは全くできませんでした。6週間いて、潜ったのはたったの2回(しかもイカはあきらめたファンダイブ)。はるばる運んだ重たいダイビングギアが泣いてます…。ま、この調査地は風が強い場所でしょっちゅう時化て、イカがいたとしても潜れない場合が多いんですけどね。
そんな日々の間に、National Geographic TVでたまたまアメリカのイカ研究者William Gillyの特集をみかけました。「野外でイカの行動を調べるのは非常に難しい」という台詞に、Yes, we know!と叫びたくなりました。
産卵集団ではないけど成熟個体は少しは獲れたので、サンプルをかき集めて形態計測データをとり、精子の投資パターンを調べることができたのがせめてもの救い。日本のヤリイカとは違うパターンがみられたので種間比較には良さそうですが、まだデータを消化しきれてません。どう解釈したものか…
写真は11月頭に行ったAdo Elephant National Parkです。いや、ちゃんと調査に最善の努力はしてたんですよ?