Biscuits or Cakes?

いかにイギリスの制度は要領が悪くばかばかしいか、という話をしていて思い出したのが1ヶ月ほど前に見たニュースです。
Teacake set to cost taxman £3.5m
パンが無いならケーキを食べれば良いじゃない、と言ったのはフランスのマリーアントワネットですが、イギリスではbiscuitsにはVAT（付加価値税）がかかるけれどcakesにはかからないそうです。長らくbiscuitsに分類されていたイギリス大手スーパーマーケットMarks & Spencerの製品"Chocolate Teacakes"が、今回cakesと認定されたことから、350万ポンドも税金を払いすぎていたことになったらしいです。
伝統的な粉もの（パン、ケーキなど）には税がかからないそうなんだけど、cakesとbiscuitsの線引きがいまいちよくわからない。BBCがまとめた一覧によると、
非課税：チョコチップを混ぜ込むか表面に押さえつけるかして焼く前に加えているbiscuits、課税：一部もしくは全体をチョコでコーティングしたbiscuits
非課税："Jaffa Cakes"（土台にオレンジジャムがのってて表面をチョコでカバーしたもの←あれ、チョココーティングだけどいいの？）、課税："Gingerbread men"（チョコでデコレートされたもの、ただし目の点々だけなら非課税←この譲歩はかわいい!）
非課税："Marshmallow teacakes"（ビスケットなどの土台にマシュマロがのってて表面をチョコでカバーしたもの←あれ、やっぱりいいの？）、課税："Snowballs"（Marshmallow teacakesのビスケット無しバージョン←これはもはやcakesでもbiscuitsでもないので納得）
他にもチョコレートサンドのビスケットは非課税とか、チョコショートブレッドは課税とか、例をたくさんみるほど分からなくなる気がします。ちなみにJaffa Cakesもcakesかbiscuitsかで論争が起こったけど、「cakesは時間がたつほど硬くなるがbiscuitsは逆に柔らかくなる」との指摘によりcakesに分類されたらしいです。うーん、指摘した人はけっこうすごいと思います。
私は甘いものは好きですが、こういう外国によくあるベターっと甘いものはほとんど食べないので、この大真面目なばかばかしい論争を純粋に楽しむのみです。日本の洋菓子の繊細さはほんとにすごいなあと思います。写真は友達が「ちょっと早いけどお餞別に」と贈ってくれたもののひとつ、つくばのお店のマカロンです。どうもありがとう！大学事務のありえないミスのせいで「ちょっと」ではなく「だいぶん」早くになっちゃいましたが。